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行政の"今"を聞く

行政の"今"を聞く
2024.04.09

まちづくり新時代 05

~福岡県 糟屋郡 篠栗町~ 公的資金でやることの責任、執行部側の確信が問われます。 三浦 正(みうら ただし) 篠栗町長 じっくり時間をかけ、議会の理解・賛同を得て、手順を踏んで粘り強く取り組むことが大切。  自治体業務の委託については、篠栗町の取り組みが全国の自治体の中でもかなり早かったと思います。私が福岡銀行に勤めていた当時の仕事仲間が共立グループに出向し、こうした業務委託についての情報交換をしていたのがきっかけです。自治体業務の安定的な業務遂行は正職員だけでは足りず、また誰かが退職した際に次の人がみつからないという課題がありました。さらには本来業務以外の案件に時間をかなり取られていた実態もあり、働き方改革が必要な時代でした。 しかし、民間企業への業務委託という未知なるものには、議会での理解や賛成を得ることが大きなハードルでした。人件費が2割増しになることへの費用対効果の説明、定例的な業務を派遣職員に委託する事の意義などを粘り強く説き、今後の働き方の転換を促すことに多くの時間と労力を費やしました。今では100名を超える規模になり、様々な部署に委託の職員がいる状況までになりました。 昨今では、他の自治体からの視察や研修でたくさんの方々が訪れます。そして、「どのような仕組みで成立しているのか?」「人の育成や研修のあり方は?」などを真剣にヒアリングされていきます。篠栗町の取り組みが良きモデルケースとして注目されることは、今後の自治体の方向性を開拓していく上でも大変重要なことだと思います。包括的業務委託の仕組みを理解した方々にとっては、「もうこの方法しかない!」と感じるレベルまで到達していると思っています。次世代へもこのシステムを継続していきたいと考えています。 篠栗町役場の窓口では、多くの共立ソリューションズのスタッフが対応している。 「森林セラピー基地」と「お遍路」の町へ。自然環境と文化資産を活かした活動。 篠栗町では2009年3月に森林セラピー基地の認定を受けました。博多から近い場所でありながら、山や森、滝などの自然に恵まれている環境を活かそうと考えました。ストレス社会の中、森の力で「こころとからだ」を健康にしようとする「森林セラピー」は篠栗町にあっています。実際に山の中に入って目をつぶるだけで「五感をひらく」感覚になります。 葉を踏んだ音、かすかに感じる木漏れ […]

行政の"今"を聞く
2024.04.01

まちづくり新時代 04

~岡山県美作市 学童保育~ 少子化に伴い子ども社会は、日々変化し続けています。特に、子どもたちが放課後を過ごす「生活と遊びの場」である学童保育は、彼らの成長において不可欠な役割を果たしています。しかし、この大切な場所がどのように運営され、子どもたちにどのような影響を与えているのか、具体的に知っている人は意外と少ないのではないでしょうか? 美作市と共立ソリューションズが協力し合う中で、私たちは子どもたちにとって最高の居場所を提供するために、放課後児童クラブのあり方を再考し、日々改善を重ねています。この記事では、その最前線で活躍する二人の専門家、春名由里先生と岡部紀蓉子先生に焦点を当て、彼らがどのように学童保育の質を向上させ、子どもたちの笑顔を引き出しているのかを紹介します。 学校と家庭をつなぐ大切な居場所づくり、子どもたちのとびきりの笑顔がうれしい──。民間委託による学童保育の現場から、新たな発見と学びが見つかるかも知れません。 学校と家庭をつなぐ大切な居場所づくり―子どもたちのとびきりの笑顔がうれしい― 学童保育のより良い未来に向けた民間委託 ――業務内容について、お教えください。 春名先生「9つの放課後児童クラブの巡回、支援、子どもや保護者への寄り添い、先生方とのミーティング参加、アドバイスなどに取り組んでいます。また、今年度より統括責任者に就任しましたので各クラブの詳細を知るため『各クラブに1週間参加』、『各先生を紹介するおたよりの作成』も行っています。放課後児童クラブ18年勤務、民間運営になって8年目になります。」 岡部先生「放課後児童クラブ『北児童クラブダンボ1』の責任者として、子どもの支援、保護者対応、各先生方との連携に取り組んでいます。学童保育は5年目で、責任者となり3年目です。」 ――いつも心がけていらっしゃるのは、どのようなことでしょうか? 春名先生「人と人との信頼関係を築くことです。そのためにも、まずは話を聴くこと、そして、相手に心を寄せることです。心が通じていないといくら話をしても言葉が入ってこないので、まずは関係づくりが一番です。その一方で、子どもたちとの関係づくりは決して急がずにまず1学期、夏休みまでの長い時間をかけて信頼関係を作っています。クラブは約20~30人在籍していますので、一緒になって遊ぶことを大事にしていました。」 岡部先生「学 […]

行政の"今"を聞く
2024.03.05

まちづくり新時代 03

~北海道新ひだか町~ 信頼とコミュニケーションが生み出す、新しい役場の姿 北海道新ひだか町は、平成18年(2006年)、静内町と三石町が合併して新たに誕生しました。峰々が連なる日高山脈を背に、雄大な太平洋を望む場所に位置しています。温暖で緑あふれ、自然に恵まれた街には行政や産業、経済、文化が集い、日高地方の中核都市として位置づけられています。 新ひだか町の役場の新しい取り組みについて、総務部総務課の課長補佐 水野一勇さんと、総務部総務課庶務係の係長 岡﨑香織さんに話を伺いました。 業務の一部を民間委託したきっかけとは? 新ひだか町役場には職員約400名が在籍し、約10名の総務課庶務係が、多くの福利厚生を担当しています。庶務係は職員が気持ちよく働ける職場づくりを常に心がけており、その一環として、令和2年度より、共立ソリューションズへ『保育所給食調理』や『児童館管理運営』『病院院内保育所管理』『スクールバス運行』『町長車・多目的バス運行』をはじめとする9つの業務委託を開始しました。さらに令和5年度より新たに『病院救急車運行』『(各病院間)移送サービス管理運営』の業務を追加し、今は計11つの業務を委託しています。 共立ソリューションズに委託したきっかけは、地方自治法の改正により非常勤職員の身分の厳格化などが令和2年度から施行されることでした。また、事業内容の多角化・効率化、人件費の高騰、将来の人口減少対策が急務となり、それらの時間を確保するため、民間委託を考えようという話になりました。 また、世の中のデジタル推進と共に住民の要望も多用化し、行政の守備範囲も広く、職員でしか対応できない相談や窓口業務、企画部門に人員を配置し、それ以外は民間へ委託し、その際は労務管理や運営も抱き合わせて発注したいと考えました。また、役場は数年で人事異動があり、たとえ引継ぎをしてもノウハウが途切れてしまうのがジレンマでしたが、民間委託によりノウハウが継承できるのもメリットでした。 共立ソリューションズに委託した理由とは? 委託先を決定した理由はいろいろありますが、その中のひとつが、コミュニケーションを密にとれることでした。委託を決定した後も何回も相談を重ね、『新ひだか町にふさわしいサービスにするためはどうしたらいいか?』を、じっくり話し合いました。また、所長にはもともと役所で働いていた方に就任 […]

行政の"今"を聞く
2024.02.21

まちづくり新時代 02

~岩手県陸前高田市~ 復興、そして新しいまちづくりに進み続ける    陸前高田市 総務部長 千葉 恭一 さん       総務部 総務課長補佐 佐々木 真理 さん 震災からの復興を願い、応援職員から市の職員に転身 陸前高田市では、行政事務の包括業務委託、施設の指定管理者として、様々な行政サービスの支援をお願いしております。市役所の庁舎内では窓口などの定形的な業務を含め、市職員と共に行政事務に関わってもらっています。さらに、指定管理業務での市民文化会館、市立図書館の管理運営や、市立博物館での被災した古文書等の復元作業、学校支援の業務など多岐に渡ります。こうした包括業務委託、施設の指定管理業務委託によって、プロパー職員は政策や管理部門により特化でき、役割分担が明確になりました。また社員教育も含めて行っているので、仮に人が変わっても大丈夫な安心感があります。 震災から10年以上が経ち、県内外から多くの方が陸前高田市に訪れており、若い方々の移住‧定住も増えております。実は、私自身も、震災直後から、応援職員を経て陸前高田市職員として勤めております。震災時に、一関市からの応援職員として、陸前高田市に来たのですが、まち全体が瓦礫だらけとなった光景に衝撃を受け、また市民の方や職員の方々と接していくうちに「力になりたい」という想いが強くなりました。一年間程お手伝いをした後に、正式に陸前高田市の職員となり、市民の皆様と共に、復興に向けて力を注いできました。(千葉恭一さん) 業務委託によって、やわらかな雰囲気、訪れやすい場所に変化している         窓口サービス 令和元年度から導入した包括業務委託によって変化してきたことは、市役所の中にやさしい空気が流れてきたという点です。やはり窓口対応が市民の皆様と接する機会が一番多い中、窓口業務を担当してくださる社員の方々が、いつもにこやかにやわらかい雰囲気で接してくださり、高齢者の方々に対しても、時より方言を交えて話すなど、身近な存在として対応する姿を見ると、市職員の方も学ぶことが多いですね。市民の皆様への窓口アンケートでは、市民の皆様の満足度が99.5%であることからも、窓口サービスの向上がうかがえます。 また、指定管理業務の市民文化会館や市立図書館でもアンケート調査を実施しておりますが、いずれも、97%を超える満足度を、利用者の方々に感 […]

行政の"今"を聞く
2024.01.20

まちづくり新時代 01

~千葉県安房郡鋸南町~白石 治和 鋸南町長に聞く 「三方よし」を生み出す架け橋の役割が大切です。 自治体業務を民間企業に委託する意味は、職員も楽しく、いきいき働いてもらうことにある。 自治体の業務を共立ソリューションズのような民間企業に委託する意味は、自治体で働く職員の方々にも楽しく働いてもらえる環境づくりにあります。併せて、幅広く人材を集めることができるメリットもあります。職員がいきいき働くことで、住民サービスにも活気が生まれ、何よりも住民の皆様が「この街で生活して良かったな」と感じていただけることが一番なわけです。10年後のまちづくりの総合計画で目標とした「住んでよし、働いてよし、訪れてよし」の「三ツ星のふるさと」づくりの中でも、やはり住むこと、生活することの良さが最も重要です。働き方は多様ですし、他の場所で働くことも大いにあるので、この点では都会とのアクセスや交通機能の強化などの整備が重要だと考えています。そして、人々がこの街を訪れるための仕組みや、活気のある雰囲気を作り出すことにも力を尽くしています。花を活用することもその一つです。花は街に彩りを与え、季節感の表現が出来る。桜や水仙などの花を象徴的に活用していくのは、資源の少ない規模の自治体には有効だと考えます。 鋸南町の花まつりは、12月上旬の水仙から4月上旬の桜まで続く。源頼朝にちなんだ「頼朝桜」は、町内に14,000本、特に保田川や佐久間ダム公園には多数植栽。2019年には台風被害も、しかし、その美しさは健在! 今年も開花情報発信中! 廃校・廃園した小学校・幼稚園を再生したユニークな「道の駅」が大きな成果をもたらす。 2015年にオープンした「道の駅 保田小学校」。廃校となった小学校をリノベーションしたこの道の駅は、テレビ等のメディアでも取り上げられ大きな反響がありました。続いて、2023年10月には、隣接する「道の駅 保田小学校附属ようちえん」もオープンしました。この施設の運営を共立ソリューションズにお願いしているわけですが、その担い手である大塚園長の功績はとても大きなものだと感じています。もちろん大塚園長ご本人の能力や人柄によるところが最も大きいのですが、自治体のモデルケースとしてもレアケースですし、成功事例として大きな実績です。私自身は、「道の駅」は社会資本だと考えています。住民サービスのための […]

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